すき間ベイスターズ

他の人が拾わないすき間ネタを求めていった結果、経済系プロ野球ブログの色が濃くなっています。 スポーツナビ+から引っ越して来ました。

池田純

『空気のつくり方』、著者は池田純横浜DeNAベイスターズ社長、9/11~9/17有隣堂ビジネス書ランキング1位の横浜で話題の本である。
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横浜DeNAベイスターズの5年間のグラウンド外での取り組みがよくまとめられていて重宝である。

驚異的な業績改善をなし遂げてきた著者だけあって、随所に成果の数字がちりばめられているが、気になる数字を見つけた。

二〇一〇年の時点で約五〇〇〇人だった会員数が、二〇一六年現在、なんと一五倍の七万五〇〇〇人を超えるまでに膨らみました。

空気のつくり方,31ページ,池田純,2016/8/30,幻冬舎


これまで、ベイスターズはファンクラブ会員数の伸び率しか発表して来なかったが、初めて実数を明らかにした。
7/31のweb受付締切前の数字のようだが、7月執筆ということなので大きく違うこともないだろう。

数字以上に気になったのは、発表のしかたである。去年までは盛大にプレスリリースしていた。

 DeNAが今季の事業総括を発表。集客面での躍進が際立つ結果となった。
《略》
 さらに球団公式ファンクラブの会員数も昨年の約1.5倍、DeNAベイスターズが誕生したここ4年間では約10倍に。

DeNA、大入り&チケット完売は球団最多 最下位も集客面で躍進際立つ,2015/10/9,Full-count


それが一転、著書の一文でふれるだけという地味な出し方をしてきた。

もう一点。先ほどの引用、「4年間では約10倍」、つまり、基準はDeNA参入直前の2011年である。今回は2010年、基準年をずらしている。お察しの通り、去年より会員数が減ったのでおおっぴらに言いたくないのだ。去年の約1/3以下になったと私は見ている。詳細は当ブログ記事「会員番号から探るファンクラブ会員数」を参照していただきたい。

会員数が減ることに驚きはない。当ブログ記事「限界の特典チケット 2015年度ファンクラブ」で述べたように、去年は会員数が多すぎて特典チケット制度が危機に瀕した。そのため、今年は制度変更をしたが、休日しか来られない人達にはかなり手痛い変更であった。

当然、池田社長も減ることを覚悟の上で変更を決断したはずだ。それでも受けとめ切れないところがあったのかなと、屈折した数字の出し方に感じる。

いつか、空気を壊さないようにこのことを発表してくれるものと期待している。
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意外にも、池田社長はすべてのハマスタの座席を青くすることに迷っていた。

「シートを全部ブルーにしたいとは思っているのですが、難問はレフトスタンド、つまり相手チームの応援に来る人が座る席を何色にすればいいのか」

思わず「全部、青ではいけないんですか」と尋ねると、池田社長は悩む理由をこう説明した。

「どうでしょうね。ビジターファンに肩身の狭い思いをさせたくない。日本の野球は“対決感”も重要な要素ですし、横浜スタジアムに来ていただける人はみんなお客様。そこは今回のTOBのように、横浜の野球ファンと考え方を共有するというか、コミュニケーションしながらやっていかないと共感が得られないと思います」

黒字増へ、ハマスタ買収後の“コミュニケーション”戦略,NewsPicks,2016/2/27


青い座席化へ猪突猛進しているのかと思いきや、広い視野と聞く耳も併せ持つ方のようだ。そんな社長を見込んで、ぜひ見ていただきたいものがある。

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by shinrin, CC-BY-SA-3.0
元作品:Yokohama_Stadium_2007_-3.jpg by DX Broadrec, via Wikimedia Commons

この色のモチーフは当然これである。
大さん橋から見た赤レンガ倉庫

「大さん橋から見た赤レンガ倉庫」By Tu-ka-pon, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

これ以上に横浜の歴史を象徴する色があるだろうか。チームカラーが青系のチームはいくつかあるが、現状この色は使われていない。ビジターファンも暖かく歓迎できる。将来他のチームがこの色を使ったところで、その正統性が揺るぐことはない。
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ハマスタの座席を青色にするのが池田球団社長の悲願のようだが、どうか再考していただきたい。

会見で池田社長は野球の本場であるアメリカ・メジャーリーグを中心にした70以上の球場を視察していく中で、魅力的なボールパーク(球場)に必要な9つのキーワードを提言。

池田社長はキーワードの「9」は野球の打順になぞらえたと話す。その中でも「2016年シーズン中からやりたい」というのが“トップバッター”の「色」だ。

現在の横浜スタジアムの座席はほとんどがオレンジ。池田社長は横浜DeNAベイスターズ側の応援団の座席のほか、ビジターチームの応援団が座る3塁側までをチームカラーであるブルーにするとした。

「ハマスタ」は今後どうなる? - はまれぽ 2016/01/21


既に設置済みのバックネット裏にそびえ立つ青い座席の壁には、何度見てもなじめない。昼間の光で見ても非常に冷たさを感じる。高揚感を冷ます色だ。春秋の夕暮れ時に見たら肌寒さも増す。

もちろんハマスタをチームカラーでまとめたいだろうし、オレンジなんてビジターチームの色じゃないかという批判があるのも知っている。青は寒々しいといっている自分も、スタジアム外周の青い縁取りは気に入っている。だが、スタンドを青で塗りつぶすのがベストとは思わない。要は青を印象的に見せる使い方であり、たくさん使えば済む話ではない。

幸いにも、ハマスタは青いグッズを身に着けた人たちがようやく大勢訪れるようになって来た。スタンドの主役は椅子ではない。椅子を青くするのは結婚式に白を着ていくようなものだ。

2015.11.19 関内 横浜スタジアム

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