27試合に出場し、100打数41安打の打率.410、OPS(出塁率+長打率).967という圧巻の成績。8試合連続ヒットで締めくくった。9回に乙坂が打席に入った際には、決して観客数は多くなかったものの、ファンがスタンディングオベーション。
DeNA乙坂「勉強になった」 メキシコWLで打率.410、ファン総立ちで別れ,2017/12/16,full-count
圧巻の成績といわれても、メキシコのウィンターリーグ(la Liga Mexicana del Pacifico, LMP)の位置づけが分からないことには評価のしようがないというのが、日本のファンの本音だろう。
筒香のドミニカ行きに随行した際に、乙坂はロースターに入ることすらできなかったことからして、何らかの差はありそうだ。手始めに、mlb.comの各ウィンターリーグのロースターから、メジャーリーガーの数を拾ってみた。
メキシコが圧倒的に少ないわけだが、これはメキシコだけが3A格とされる有力な夏季リーグを開催しているためだろう。この数字から受ける印象ほどの差ではなさそうである。阿佐智氏によれば、カリビアンシリーズで近年優勝を重ねており、日本やドミニカなどと同等だろうとのことである。
阿佐 智,メキシコ野球を追う -第5回- メキシコ野球のレベル,2016/11/5,Clipee
また、夏季のメキシカンリーグは高地の球場が多いため打高とされるが、ウィンターリーグの球場はほとんど低地である。球場の大きさも標準的かやや広いくらいである。
筒香のドミニカ行きに随行した際に、乙坂はロースターに入ることすらできなかったことからして、何らかの差はありそうだ。手始めに、mlb.comの各ウィンターリーグのロースターから、メジャーリーガーの数を拾ってみた。
メキシコが圧倒的に少ないわけだが、これはメキシコだけが3A格とされる有力な夏季リーグを開催しているためだろう。この数字から受ける印象ほどの差ではなさそうである。阿佐智氏によれば、カリビアンシリーズで近年優勝を重ねており、日本やドミニカなどと同等だろうとのことである。
阿佐 智,メキシコ野球を追う -第5回- メキシコ野球のレベル,2016/11/5,Clipee
また、夏季のメキシカンリーグは高地の球場が多いため打高とされるが、ウィンターリーグの球場はほとんど低地である。球場の大きさも標準的かやや広いくらいである。
2017年のリーグの打撃成績を比べると、メキシコWLのほうが打率、出塁率がわずかに高く、長打はむしろ少ない。また、三振/四球比が少し低い。平均得点はほとんど変わらず、観ていて実感できる差ではないだろう。
ただ、リーグ内の成績をいくら見てもリーグ間の差は測りがたい。日本とメキシコの両リーグでプレイした楽天のアマダーと横浜の乙坂に登場してもらおう。
たった2名の成績でリーグの特徴というのも無理があるが、強いて言えば、
ただ、リーグ内の成績をいくら見てもリーグ間の差は測りがたい。日本とメキシコの両リーグでプレイした楽天のアマダーと横浜の乙坂に登場してもらおう。
たった2名の成績でリーグの特徴というのも無理があるが、強いて言えば、
・投手の質を示す三振/四球比SO/BBは、日本がメキシコWLより明確に良い
これは2名とも共通しており、メキシコWLはその分打高かもしれない。他の指標は2名に共通しての大差にはなっていないので、何ともいえない。
乙坂の成績で際立っているのは、インプレーの打球のヒットになる率、BABIPの高さである。通常3割近辺の数字が5割である。詳しく調べるために全打席の結果をまとめた。
100打数で9本の内野安打を稼ぎ、内野に転がった打球の26%を安打にした。全盛期のイチロー(.207、2009年)を上回る驚異的な数字だ。さらに、内野失策出塁が5つもある。合わせると内野に転がすと36%がセーフになった。乙坂にとってメキシコの内野は天国だった。
しかし、左うちわで数字を残したかといえばそうでもない。本当に好調ならもっと長打を打っていただろう。11月24日に途中交代した後数試合欠場した際には、おそらくコンディション不良もあったはずだ。オールスター出場を勝ち取った前半は破竹の勢いだったが、後半は外野へ飛ぶ打球が減り、調子は落ちていたと思われる。何とかバットに当てて出塁し続けた粘りが4割達成につながった。
その姿勢は、メキシコのファンの心をつかんだ。
Bambino Sedano@bambino_sedanoTomo Otosaka regresa a Japn. En pocos das logr dejar huella en el bisbol mexicano. https://t.co/REmP2UjT6B
2017/12/15 14:17:29
動画字幕冒頭の訳:
着いたときは無名だった
しかし、同僚のみならず敵とすべてのファンの尊敬を勝ち取った
常に次の塁を狙って戦わねばならぬことを思い出させてくれた
2018年、乙坂がこの冬並みの数字を残せるかというと、難しいだろう。しかし、それはメキシコのウィンターリーグが場違いなほどレベルが低いからではないし、運がよかっただけでもない。必死で異国の環境に適応した結果である。彼はそれを自ら証明すると私は信じている。
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しかし、同僚のみならず敵とすべてのファンの尊敬を勝ち取った
常に次の塁を狙って戦わねばならぬことを思い出させてくれた
2018年、乙坂がこの冬並みの数字を残せるかというと、難しいだろう。しかし、それはメキシコのウィンターリーグが場違いなほどレベルが低いからではないし、運がよかっただけでもない。必死で異国の環境に適応した結果である。彼はそれを自ら証明すると私は信じている。