すき間ベイスターズ

他の人が拾わないすき間ネタを求めていった結果、経済系プロ野球ブログの色が濃くなっています。 スポーツナビ+から引っ越して来ました。

ヤフオク!ドーム

前回記事でドラゴンズのナゴヤドーム使用料として想定しうる範囲を示した。そのグラフを再掲する。

球場使用料推定

これを他球団と比べる。

ソフトバンク 48億円 ※福岡ドーム買収前
巨人     30億円
日本ハム   13億円 ※使用料など
近鉄      6億円 ※2005年

中日     22億円 ※客単価846円×2,607,500人(1997年の観客動員)
       17億円 ※動員200万人以下での最高推定
        8億円 ※平日960万円×47試合+土休日1060万円×29試合

ソフトバンクのかつての金額は、契約が特殊で比較しづらい。元々は、一体経営していた福岡ドーム、ホテル、球団のダイエー福岡3点セットを外資に売るにあたって、外資規制で球団込みで売れないために生まれた苦肉の策である。球団がソフトバンクのものになった際に契約が一部見直されたわけだが、依然として、48億円×最低20年、1年全日借り上げ、維持費・固定資産税は別途肩代わりという奇妙な契約だった。無理やりでも比較するためには、野球で使用した日数で考え、1/4から1/3の12億~16億円程度とみなすべきである。維持費・税は3億~4億円といったところか。現在は使用料を払う必要はなくなったが、減価償却、固定資産税、維持管理費、金利などをグループで負担しているから、もちろん、ただではない。

巨人の数字は詳細が不明である。東京ドームの基本料金1日1,700万円は札幌ドームの4万人で1,600万円とそれほど差はなく、それにしては30億円と飛び抜けている。

日本ハムは球場使用料「など」13億円なので、正味はこれより安い。10億円という計算もあるが、ブルペン、室内練習場、シャワー室、ロッカールーム、控室など、料金が明記されていないものを見落としているように思う。

近鉄は10億円という数字が先に流布したが、実際のところは6億円だった。どこまでを球場使用料と見るかは、個々の事例、伝える側の立場でかなり変わってくるので注意する必要がある。

ドラゴンズの使用料のこの中での位置は、安い推定なら日本ハムなみ、高い推定でも近年の動員なら巨人の5~6割くらいということになる。ドラゴンズからすれば、赤字である以上はどんな金額でも高いのかも知れないが、他のドームとかけ離れた高額ということはない。次回はドラゴンズとナゴヤドームの収支を見ていく予定である。続きを読む
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年初に華々しく発表されたハマスタLED照明導入(1)だが、まぶしさでボールを見失う選手が続出している。
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時期尚早だった?
一般的にLEDは同等の明るさの他の照明方式よりまぶしい。光があまり散乱しないので、直視した場合とそうでない場合の明暗差が激しくなる(2)。また白色LEDはいくつか方式があるが、「平均演色評価数Ra80」から推察すると青色LEDと黄色の蛍光体の組み合わせと思われる。この方式の場合光の青色成分の強度が強い。都合の悪いことに、短波長の光、つまり青色の方がまぶしく感じるという研究がある(3)。
当然メーカーはその対策をしているはずで、報道発表ではまぶしさも従来より軽減されたとうたっている。にも関わらず選手の実感とは食い違っている。調べた印象としては、まぶしさの測定方法や指標がまだ開発途上であり、野球の屋外夜間照明に適していない可能性がある(4)。スタジアムLED照明のパイオニアとして関係者は是非原因調査に頑張っていただきたい。

LED化以前から見づらかった
ホークスの本拠地福岡ヤフオク!ドームも今季よりLEDを導入している(5)。しかし、見づらいという話は聞かない。おそらく背景に天井があることや照明灯の配置の違いでまぶしく感じにくいのだろう。そもそもハマスタはLED化以前から外野手泣かせの球場であった。OBの中根仁氏が詳しく解説してくださっている(6)のでぜひご覧いただきたい。逆三角形の照明灯の中にボールが入ると長時間かつ捕球直前までボールが見えなくなるそうだ。

調整は可能なのか
選手がサングラスを使うくらいなら、はじめから明るさを抑えた方が手っ取り早いし電気代の節約にもなる。ただそれができない事情があるのかも知れない。フィールドと客席の照明が兼用なのである。観客の安全上最低限の明るさを確保しつつ、フィールドを暗くすることができるのかが問題だ。当然テレビ映りも悪くなるだろう。現時点で照明の変化は感じないが、果たして気づかない改善がされているのか、それとも変化がないのか気にかかるところである。

打つ手はあるのか
今季中に設備の改善は難しいだろうし、高い初期費用を投じている以上交換などの抜本的対策も当分無理だろう。となれば、開き直って地の利として活かすしかない。見づらい打球を打つ練習をして、そのような打球の多い選手を発掘するのである。邪道なのか?ハマスタでしか通用しないスキルという意味ではそうだろう。でも、そういう球場の個性を楽しむのもプロ野球のうちではないだろうか。
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