すき間ベイスターズ

他の人が拾わないすき間ネタを求めていった結果、経済系プロ野球ブログの色が濃くなっています。 スポーツナビ+から引っ越して来ました。

2015/05

オールスターファン投票「組織票」の歴史年表

1978年日本ハム
球団がファンクラブ会員に投票用紙を配布して呼びかけ、8部門で選出されたが、激しい批判にさらされ2選手が出場辞退をさせられた。

1990~1992年?マークシート導入

1995年横浜
開催地となった横浜球団社長らはゲームを盛り上げるためにファンに対してファン投票への参加を呼びかけたところ、6部門で選出。

1996年インターネット投票導入
2001年携帯電話投票導入

インターネット・携帯電話投票は1日5回まで

2003年川崎祭
2ちゃんねるの呼びかけで中日移籍後登板のない川崎憲次郎投手が1位に。

2004年インターネット・携帯電話投票会員登録制に。選出条件に最低出場数が定められる

2007年楽天
「地元の官公庁、郵便局や商工会議所が初めて投票用紙を置いてくれたりした」(米田純球団代表)ところ、8部門で選出。一方で楽天グループ各社には「常識の範囲内」で投票を呼びかけたに過ぎず、関与は否定した。

2008年インターネット・携帯電話投票1日1回に。投票用紙がハガキでなくなる
インターネット・携帯電話からの投票が激減し紙の投票の比率が増したことで、「組織票」的な投票行動が目立ちやすくなる。

2008年広島

球団の株主で球宴スポンサーのマツダ社からの“組織票”の後押しが大きかったようで「(投票の)要請はしていないが、もちろん協力があったと思う」と松田オーナーも認めていた。
(2008年7月8日06時00分 スポーツ報知)


2012年日本ハム
中間発表時点から日本ハム勢が票を伸ばし、8部門で選出。一方でリーグ首位打者で当確かと思われた田中賢介が落選。

2012年井口資仁(ロッテ)、鳥谷敬(阪神)、平野恵一(阪神)
同じマネジメント事務所に所属の3選手が揃って最後の1週間に票を伸ばし逆転選出。当該事務所は関与を否定。

2013年ヤクルト
数人で6万票あまりを投票したことを事細かにSNSに発信し、非難を浴びる。球場などでの投票用紙の配布方法の欠陥が明らかになった。


「組織票」を産む心理
一口に組織票といってもいろいろな要素が混じっていることに気付いた。いくつか例を挙げたい。

ご当地ブーム
オールスターゲームがおらが町へやってくる、祭りだ、ワッショイ!と通常それほど関心のない人達まで盛り上がることで開催地球団が大量当選を果たす。もちろん、個々の成績や、ましてや他球団の選手なんてそもそも知らない。

いつもお世話になってますから
ええ、そりゃあもう喜んで協力させていただきますよ、紙のここを塗るだけでいいんですね。お安いご用です。こちらこそ今後ともお付き合いのほどよろしくお願いします。

友情、努力、勝利
友達の応援をすっごい頑張るんだ、友達のためだからPCや携帯から毎日投票するのも、何時間もマークシートを塗りまくるのも、へっちゃらさ!やったー、ついに友達が強くて憎たらしいあいつに勝ったぞ!

やっかみ
半数以上の部門を1球団が独占すると、間違いなく「組織票」コールが巻き起こる。確かにそのうち数名は成績が見劣りする選手もいるが、他は文句なしのスター揃いで、結局はあまり当選ラインに送り込めない他球団ファンが興味を失って投票をしないで不戦敗している一面もある。

バッシング
これは投票行動という意味では川崎祭だけの例外かも知れない。しかし、成績不振の選手がノミネートされて当選するたびに、投票する側の気持ちにまったく悪意がなくても、選手たちは同じような困惑や苦しみを味わっている。

以上の5つ、どれも日本人の根本的な心情ばかりである。やっかみやバッシングは否定したいところだが、現実は受け入れなければならない。なので、根本的な心情を根絶できない以上組織票を根絶することは不可能であるし、そもそも根絶するべきものでもない。うまく折り合いをつける道を探るべきだ。

次回は個別事例の球団最低得票部門から、「組織票」の性質が明らかにできるか試みてみたい。続きを読む
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「組織票」はない―オールスターファン投票5月25日中間発表を見ての執筆後集計方法の誤りに気付いたので、最新の発表の数字を使って改めて集計した。
ランク外の数字が最低得票となる場合は選手名をノミネート選手だと決めつけていたが、コメントで票が分散している可能性を指摘していただいたので選手名は表記しないことにした。

各球団の最低得票ポジション 5/26中間発表
球団 部門 選手名  票数(得票率) 1試合あたり観客動員(比率)
G  外野 高橋由伸 6149(7.7%)   42215(13.0%)
DB 先発 山口俊  4542(5.7%)   24917( 7.7%)
T  ニ塁 上本博紀 4482(5.6%)   40969(12.6%)
S  先発 小川泰弘 3514(4.4%)   19611( 6.0%)
D  抑え 福谷浩司 3377(4.2%)   28006( 8.6%)
C  抑え ランク外 3377(4.2%)未満 30052( 9.2%)

L  先発 牧田和久 4133(5.2%)   19619( 6.0%)
E  中継 ランク外 3447(4.3%)未満 22351( 6.9%)
F  DH J.ハーミッダ 2756(3.6%)   25892( 8.0%)
Bs 先発 西勇輝  2564(3.2%)   23536( 7.2%)
H  DH 長谷川勇也 2356(3.0%)   31722( 9.8%)
M  DH ランク外 2356(3.0%)未満 16112( 5.0%)

有効枚数計 79747
ネット   21426
携帯    52810
投票用紙  5511
観客動員は5/25までの実績

相関NPB 0.51
相関セ   0.70
相関パ   -0.32

修正点は除外していた先発と外野手を盛り込んだことである。
「組織」の究極の目的は全部門の当選であるから、あえて複数の選手に自ら票を分散させる理由はない。よって、票が分散している場合はその球団のその部門トップの票だけ見ればよい。
外野手は1人で3票投票可能だから、各球団の3位の得票を見ればよい。

この修正の結果、当然「組織票」はさらに減り、総計55%となった。減る方向なので前回記事と結論は変わらない。ネットの投票に関して「組織票」は取るに足らない。

今回発表から投票用紙の票が加わっている。まだ少数だが、昨年の投票結果では合計有効枚数162万7千のうち、投票用紙が126万と多数を占める。紙の投票が増えたときに傾向が変わるかどうか注目していきたい。

今回は「組織票」と観客動員の関係を調べてみた。相関を取ったところセでは0.70とそこそこ相関があるのだが、なんとパでは逆相関となった。ランク外の数字がわからないために一部球団はまだ過大評価されている可能性が高い。ただホークスの「組織票」の少なさはそれでは説明できない。これは前回述べた通り、森友哉が「組織」を切り崩している。

カープの「組織票」が今回意外にもリーグ最下位となった。ベイスターズとスワローズが過大評価の可能性もあるが、チーム低迷も影響しているかも知れない。続きを読む
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特定の球団の選手ばかりが票を伸ばしているのを見て、それを「組織票」ではと疑うことがある。

ただ、組織と言っても、集会を開いて○○ファンは必ずすべての○○球団の選手にマークしてくださいと会長の指示があったり、1人100枚の投票ノルマが課せられたり、実際に団体行動をしているところがあるとは、私は到底信じられない。
なので、「組織票」とは、律儀にひいき球団の全選手に投票する結果、外から見るとあたかも組織的な投票行動に見える票の集まりと定義する。

では、5月25日の中間発表で「組織票」はどの程度あるのか、見積もってみよう。
方法は簡単である。各球団の最低得票のポジションを探せばよい。「組織」の構成員はひいきの球団の全選手に投票するのだから、どんなに成績の振るわない、他球団ファンからは見向きもされない選手にも投票する。「逆オールスターファン投票」を見れば、各球団の「組織票」があぶり出される。

今回の投票有効枚数は61723枚である。投票有効枚数とは平たくいえば投票した人間の数である。すべてネット、携帯電話からの投票であり、紙はない。つまり、すべての投票者はメールアドレスを会員登録した上で投票していて、1登録からは1回しか投票できない。

各球団の最低得票ポジション
セ・リーグ
G  三塁 村田修一    5288(8.6%)未満
T  二塁 上本博紀    3624(5.9%)
DB 捕手 黒羽根利規   3510(5.7%)未満
C  中継 永川勝浩    2989(4.8%)
S  中継 秋吉亮     2989(4.8%)未満
D  抑え 福谷浩司    2706(4.4%)

パ・リーグ
L  遊撃 金子侑司    5130(8.3%)未満
Bs 三塁 小谷野栄一   2776(4.5%)未満
E  中継 青山浩二    2654(4.3%)
F  DH J.ハーミッダ 2153(3.5%)
H  DH 長谷川勇也   1768(2.9%)
M  DH 根元俊一    1768(2.9%)未満

()内は得票率、投票有効枚数61723枚

数字に未満がついているのは、ランク外のため5位の数字で代用しているためである。この集計のためには下位の数字が重要だが、発表はそれが省かれてしまっている。そのため、先発と外野手部門の数字は精度が落ちるため無視せざるを得なかった。

見ての通り、「組織票」は最大に見積もってもジャイアンツの8.6%である。ちなみにジャイアンツの2015年の1試合あたり観客動員数のNPB占有率は13.0%である。ファンの数と比べて不自然な数字とは思えない。
12球団の「組織票」の合計は約60%である。つまり4割は無党派であり、「組織票」のみで当選は到底不可能である。実際は無党派は4割よりもっと多いはずだ。自分のひいき球団が所属しないリーグは偏りなく投票する混合タイプもいるからだ。
現に今回発表でジャイアンツの選手の1位は皆無であり、ベイスターズとカープはリーグ3位と4位の「組織票」を持つに過ぎない。

パ・リーグはライオンズとその他で大きく傾向が別れた。各球団の「組織票」を森友哉が粉砕し、3球団でDHが最低得票となった。パ・リーグファンの方がオープンな投票傾向を持っているのかも知れない。

このように、少なくともネットでは最低でも4割のオープンな投票をする層が存在し、「組織票」としての投票行動の影響力は極めて限定的といえる。相当な接戦とならない限り無視して構わない。
ただし、投票用紙に関しては無記名であり、まったく別の投票傾向が予想される。続きを読む
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オールスターのファン投票は一部の勢力の乗っ取りの危険にさらされてきた。2015年はどう対策されているのか調べ、最後に一つ改良の提案をする。

ファン投票には会員登録(無料)が必要です


基本中の基本であるが、かつてはネットや携帯電話からも無記名であり、2003年の「川崎祭」後に対策された。

前回選択時の内容が各ポジションに自動で表示されます。
1日あたり1回のみ投票可能です。


訂正(2017/12/29): 引用の通り、1人1日1回投票できる。
同じ人が何回投票してもそれは内容の変更であり別の票としてはカウントされない。

インターネットファン投票規約によると、

(登録抹消)

登録者は、いつでも登録抹消手続きを申請することができます。申請が受理されると該当の登録内容(個人情報)は消去されます。投票内容は消去されません。
メールアドレスが変更になった場合は、旧メールアドレスの抹消手続きを行った後、再登録が必要です。旧メールアドレスによる投票内容は消去されません。

(禁止行為)

複数のメールアドレスでの登録を禁止します。
本人以外の登録を禁止します。
虚偽の内容による登録を禁止します。
失効したメールアドレスによる投票行為を禁止します。
禁止行為を呼びかける行為を禁止します。
不自然な投票については一般社団法人日本野球機構が調査を行い、不正な投票と確認できた場合は、該当する投票を無効とします。


登録と抹消を繰り返して票数を稼ぐ行為は不正とみなされ、すべての投票が無効になる。これは追跡が容易であり確実だ。
また素朴な不正、同じ送信元からの多数の投票は見破られると思われる。
より手の込んだPC遠隔操作となると何とも言えないが、無人で疑わしい投票の検知は可能だろう。そもそも他人のPCに勝手にそんなものを仕掛けたらもはや犯罪だが。

ノミネートされていない選手や守備位置への投票も容易

1.選びたい選手のリーグを選択します。
2.ノミネート選手一覧が表示されますので、選手名をクリックした後、投票したい守備位置をクリックしてください。または、選手名を守備位置までドラッグしても選択可能です。片方のリーグのみ、1選手または複数選手の投票でも有効です。
3.投票したい選手がノミネート選手欄にない場合には、球団マークをクリックするとその球団の全選手リストが表示されます。以降は2と同様に選択してください。選手リストには5月31日までに支配下選手として公示された選手のみが表示されます。
ファン投票



球団お仕着せのノミネートに縛られることなくインターネットでは容易に投票できる。紙にはない利点だと思う。畑違いのポジションや無名な選手に投票することも可能だが、選出規定で

ファン投票終了時(6月20日)に本年度公式戦で以下の規定数を満たしていること。
投手 : 5試合以上登板または10投球回以上
野手 : 10試合以上出場または20打席以上


過去のプロ野球公式戦で守備に就いたことのあるポジション。


となっていて、最多得票しても選出されない。もちろんこの基準では控え選手でも選ばれることは可能だし実際過去選ばれているが、それは規定で縛る問題ではないだろう。

以上、ネットの投票に関しては取りうる対策は取られていると感じた。

投票用紙は依然として無記名
これは昔と何ら変わっていない。マークシートの都合でノミネート選手以外が上位に来ることは考えにくいが、一部の人間が大量に投票して結果を歪める問題は解決されていない。
記名にして名寄せするほどの経費はかけにくいなどもあるだろうが、無記名による悪影響を薄める努力はしてほしい。

投票用紙でも改良は可能
一つ提案する。投票期間中の観戦チケットにファン投票用のシリアルIDを記載する。投票用紙にはそのIDの記入を求める。球場に行けない人向けにはコンビニのチケット販売システムなどで少額で投票用IDを販売する。WebMoneyやiTunes Cardと似た仕組みである。何度も球場に行く人や大量に投票用IDを購入するお金持ちは仕方ないが、それなりに無粋な行為に歯止めはかかるのではないか。
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5月23日対阪神戦、10回表のマウンドに立ったのは安部建輝だった。ビハインド要員からついに勝負を決する場面に上がる時が訪れたが、完全に飲まれてしまった。観ている側の不安が感染したかのような安部の様子。残念ながら不安は的中し安部は敗戦投手となった。

今季は前日まで防御率1.17、WHIP0.91と少ない出番ながら好投を続けていた。阪神はすでにマートン、ゴメスを下げていて普段通りに投げられれば十分抑えられたはずだったが、相手以前の問題でストライクが入らなかった。

あまり個人の細かいプレーに言及したくはないのだが、安部に最もやってほしくなかったことがある。審判の判定に不服な態度を見せたことだ。明らかな誤審でもボールがストライクになることはないし、なおさら審判が意固地になって逆効果になる恐れすらある。そもそも余裕のない態度を露わにすれば、審判にも相手打者にも見下ろされてしまう。

でも下を向くことはない。その後出てきた小杉陽太は1人歩かせるが落ち着いて後続を断った。これが延長戦3敗の余裕がなせる業だ。安部もようやくその階段を1段上ったのだ。

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