先日いよいよ親会社の日本ハムが新球場構想の検討に入ることを発表したが、この話題がでるたびに匿名掲示板にコピペされるデマがある。
ネットで検索をかけると大量にヒットするが、最古のものを示す。恐らく、ドラゴンズのナゴヤドーム使用料40億円説のように、「定説」になってしまうだろう。
デマである証明はたやすい。札幌市や(株)札幌ドームの決算資料などを見ればよい。
2014年度の札幌市への寄付金総額は5.7億円であり、中身は市民活動の促進(0.9億円)、奨学基金(0.8億円)、地域福祉の振興(0.4億円)などで、札幌ドームの修繕費積立へのファイターズや(株)札幌ドームからの5億円の寄付の事実はない。
2015年度も、市への寄付金総額は2.2億円であり、同様である。
積立金は(株)札幌ドームが管理しており、工事成果を市に寄付しているのではないかという反論も封じておく。
(株)札幌ドームは施設保全設備更新積立金という名で確かに積み立てはしている。しかし、積立金額は各年度でまちまちで、最高額は2005年度の4億円である。ファイターズの負担が始まったとされる2013年頃からの推移は、
2013 2.0億円
2014 0.5億円
2015 3.0億円
CSRレポート2016 11-26ページ,2016/6,札幌ドームより抜粋
ドーム社とファイターズの合計とされる各年度10億円にまるで足りない。単に黒字の一部を任意で積み立てているだけで、もちろんファイターズからの5億の寄付を伺わせる形跡もない。そもそも法人間の贈与にあたり、両者ともこの5億円が法人税の課税対象になってしまう。
それでも反論がしたい方は証拠を提示していただきたい。
こんなに簡単に証明できるにも関わらず、このデマを読んだ当初の印象は悪くなく、これが正しいという証拠を探していた。
このデマの巧妙さは、積立金とか年平均10億円の修繕費見込みという細部に関しては事実であるため、読み手にとって出典不明の新情報である「ドームとファイターズが年5億円ずつ積み立て」も、つい信じたくなるところにある。元から札幌市に不信感を持つ人ならなおさらである。
中には疑いを表明したり、デマだと看破した書きこみもあるのだが、出典不明のデマを否定する材料を探すのは、スキルも時間もかかる。反論が書かれるまでの間に元の書きこみは何ページも彼方に去っていて、その間に信じてしまった人たちの同調コメントが並ぶことになる。
ところで、冒頭の引用は出典の言及がないのだが、その原型と思われる書きこみには出典が示されている。
数ヶ月前の新聞記事3件のまとめと称しているが、日経、朝日の該当記事は見つけられなかった。新聞社のサイトは過去の全記事を公開はしていないため、読み手が即座に検証することは難しい。新聞の名を騙って客観性をアピールしながら、数ヶ月前の記事ということにして追及されにくくしたように見える。ここに至って、このデマは、誤記や記憶違いなどの過失ではなく、意図的な捏造なのではという感を強くした。
札幌ドームに集うファンの多くは札幌市に住んだり勤めたりしている以上、一方的に札幌市を悪者にしても無意味である。右の拳と左の拳で喧嘩するようなものだ。デマで不当に世論を札幌市に厳しい方向に誘導したところで益はない。新球場問題がどういう着地点を見出だすかはまだわからないが、冷静な議論を望む。続きを読む
★三年前からサッカーの出し入れ式ホバーリングステージ(ピッチ)の大規模修繕含む
『札幌ドーム大規模修繕積立金』年間5億円(札幌ドームも年間5億円の積立)
(北海道コンサドーレ札幌は免除)
【野球】日本ハム 頭打ちで伸び悩む観客数とチケット収入… 懐疑的な新球場構想… [無断転載禁止]©2ch.net,2016/5/24,2ch.net
http://itest.2ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1464070763/225
ネットで検索をかけると大量にヒットするが、最古のものを示す。恐らく、ドラゴンズのナゴヤドーム使用料40億円説のように、「定説」になってしまうだろう。
デマである証明はたやすい。札幌市や(株)札幌ドームの決算資料などを見ればよい。
2014年度の札幌市への寄付金総額は5.7億円であり、中身は市民活動の促進(0.9億円)、奨学基金(0.8億円)、地域福祉の振興(0.4億円)などで、札幌ドームの修繕費積立へのファイターズや(株)札幌ドームからの5億円の寄付の事実はない。
2015年度も、市への寄付金総額は2.2億円であり、同様である。
2015年(平成27年)4月から2016年(平成28年)3月までの累計 分野 件数 金額(円) ≪略≫ その他 25 27,444,000 合計 769 227,305,231
≪略≫
2014年(平成26年)4月から2015(平成27年)年3月までの累計 分野 件数 金額(円) 国際交流の推進 6 139,000 市民活動の促進(さぽーとほっと基金) 230 89,849,649
地域福祉の振興(地域福祉振興基金) 12 43,796,000 障がいのある方の支援 22 2,750,642 特別奨学金の支給(特別奨学基金) 10 35,893,000 災害遺児手当の支給(災害遺児基金) 20 10,589,000 都市緑化の推進 8 297,545 円山動物園の運営 129 10,600,477 文化芸術活動の支援(文化芸術振興基金) 13 24,373,000 奨学金の支給(奨学基金) 28 83,956,101 その他 29 270,308,985 合計 507 572,553,399
※物品の寄付は除いています。
寄付金の状況,2016/9/9,札幌市
積立金は(株)札幌ドームが管理しており、工事成果を市に寄付しているのではないかという反論も封じておく。
(株)札幌ドームは施設保全設備更新積立金という名で確かに積み立てはしている。しかし、積立金額は各年度でまちまちで、最高額は2005年度の4億円である。ファイターズの負担が始まったとされる2013年頃からの推移は、
2013 2.0億円
2014 0.5億円
2015 3.0億円
CSRレポート2016 11-26ページ,2016/6,札幌ドームより抜粋
ドーム社とファイターズの合計とされる各年度10億円にまるで足りない。単に黒字の一部を任意で積み立てているだけで、もちろんファイターズからの5億の寄付を伺わせる形跡もない。そもそも法人間の贈与にあたり、両者ともこの5億円が法人税の課税対象になってしまう。
それでも反論がしたい方は証拠を提示していただきたい。
こんなに簡単に証明できるにも関わらず、このデマを読んだ当初の印象は悪くなく、これが正しいという証拠を探していた。
このデマの巧妙さは、積立金とか年平均10億円の修繕費見込みという細部に関しては事実であるため、読み手にとって出典不明の新情報である「ドームとファイターズが年5億円ずつ積み立て」も、つい信じたくなるところにある。元から札幌市に不信感を持つ人ならなおさらである。
中には疑いを表明したり、デマだと看破した書きこみもあるのだが、出典不明のデマを否定する材料を探すのは、スキルも時間もかかる。反論が書かれるまでの間に元の書きこみは何ページも彼方に去っていて、その間に信じてしまった人たちの同調コメントが並ぶことになる。
ところで、冒頭の引用は出典の言及がないのだが、その原型と思われる書きこみには出典が示されている。
1: 風吹けば名無し 2013/10/02(水) 15:25:41.14 ID:PKO7pbDL
今年の2月の日経、朝日折込記事、4月の報知に日本ハムと札幌ドームの現状の記事があったのでまとめてみた。
【日経】日本ハムvs札幌ドーム,2013/10/2,2ちゃんねる
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1380695141/1
数ヶ月前の新聞記事3件のまとめと称しているが、日経、朝日の該当記事は見つけられなかった。新聞社のサイトは過去の全記事を公開はしていないため、読み手が即座に検証することは難しい。新聞の名を騙って客観性をアピールしながら、数ヶ月前の記事ということにして追及されにくくしたように見える。ここに至って、このデマは、誤記や記憶違いなどの過失ではなく、意図的な捏造なのではという感を強くした。
札幌ドームに集うファンの多くは札幌市に住んだり勤めたりしている以上、一方的に札幌市を悪者にしても無意味である。右の拳と左の拳で喧嘩するようなものだ。デマで不当に世論を札幌市に厳しい方向に誘導したところで益はない。新球場問題がどういう着地点を見出だすかはまだわからないが、冷静な議論を望む。続きを読む