すき間ベイスターズ

他の人が拾わないすき間ネタを求めていった結果、経済系プロ野球ブログの色が濃くなっています。 スポーツナビ+から引っ越して来ました。

年初に華々しく発表されたハマスタLED照明導入(1)だが、まぶしさでボールを見失う選手が続出している。
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時期尚早だった?
一般的にLEDは同等の明るさの他の照明方式よりまぶしい。光があまり散乱しないので、直視した場合とそうでない場合の明暗差が激しくなる(2)。また白色LEDはいくつか方式があるが、「平均演色評価数Ra80」から推察すると青色LEDと黄色の蛍光体の組み合わせと思われる。この方式の場合光の青色成分の強度が強い。都合の悪いことに、短波長の光、つまり青色の方がまぶしく感じるという研究がある(3)。
当然メーカーはその対策をしているはずで、報道発表ではまぶしさも従来より軽減されたとうたっている。にも関わらず選手の実感とは食い違っている。調べた印象としては、まぶしさの測定方法や指標がまだ開発途上であり、野球の屋外夜間照明に適していない可能性がある(4)。スタジアムLED照明のパイオニアとして関係者は是非原因調査に頑張っていただきたい。

LED化以前から見づらかった
ホークスの本拠地福岡ヤフオク!ドームも今季よりLEDを導入している(5)。しかし、見づらいという話は聞かない。おそらく背景に天井があることや照明灯の配置の違いでまぶしく感じにくいのだろう。そもそもハマスタはLED化以前から外野手泣かせの球場であった。OBの中根仁氏が詳しく解説してくださっている(6)のでぜひご覧いただきたい。逆三角形の照明灯の中にボールが入ると長時間かつ捕球直前までボールが見えなくなるそうだ。

調整は可能なのか
選手がサングラスを使うくらいなら、はじめから明るさを抑えた方が手っ取り早いし電気代の節約にもなる。ただそれができない事情があるのかも知れない。フィールドと客席の照明が兼用なのである。観客の安全上最低限の明るさを確保しつつ、フィールドを暗くすることができるのかが問題だ。当然テレビ映りも悪くなるだろう。現時点で照明の変化は感じないが、果たして気づかない改善がされているのか、それとも変化がないのか気にかかるところである。

打つ手はあるのか
今季中に設備の改善は難しいだろうし、高い初期費用を投じている以上交換などの抜本的対策も当分無理だろう。となれば、開き直って地の利として活かすしかない。見づらい打球を打つ練習をして、そのような打球の多い選手を発掘するのである。邪道なのか?ハマスタでしか通用しないスキルという意味ではそうだろう。でも、そういう球場の個性を楽しむのもプロ野球のうちではないだろうか。
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昨日の決勝打は久々に7番先発起用された倉本によるものだった。この打順は他に飛雄馬や荒波、井手、関根などが起用されて好結果を残している。

バルディリスの好調がチームを導くで述べたように今年はバルディリスの長打がやや少なく、7番にチャンスが巡ってくる。今年のここまでの7番の成績をまとめた。この数字は各試合の打者出場成績から7番を集計した。よって先発だけでなく途中出場も含み、前述の個人の成績の合計ではない。

ベイスターズ7番打者打撃成績(5/10まで)
打席    150
打数    140
安打     36
塁打     50
四球      6
打点     19
打率   .257
出塁率  .287
長打率  .357
OPS  .644

特に目立つ数字ではない。OPSでみればリーグ20位台、ジャイアンツの片岡(.657)くらいだ。

しかし、平凡な成績の割には打点が突出しており、梶谷、ロペス、バルディリスより多い。この神がかった勝負強さで勝ちを拾っているのがここまでのベイスターズである。

今後この傾向は続くのか。倉本(.453)の出番が減っているので改善する余地はある。とはいえ、起用した選手が当たり続けるのは、果たして運なのか実力なのか、今後に注目していきたい。

参考として、当時主に7番を打った選手の年間成績を挙げておく。

進藤達哉(1998)
打席   456
打数   390
安打    94
塁打   157
四球    52(敬遠5を含まず)
打点    54
打率  .241
出塁率 .331
長打率 .403
OPS .734

守備の人、意外性の打撃と当時形容されていたが、OPSから見て明らかに過小評価である。今年の7番が上回るにはあまりにも高い壁?
いや、ひょっとしたら…
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昨日は延長11回の末、小杉投手の今季2敗目という決着になった。

小杉の1敗目は、4/19のヤクルト戦、7人目として10回裏から登板。12回2死から飛雄馬のサヨナラエラーで幕を閉じた。もつれた展開で投手が底をつき登板し、打線も援護できない中3イニング目まで粘ったが報われなかった。

転機は次の登板で訪れた。4/26の中日戦、2回KOの高崎の後に3回を好投し、中畑監督に「先発で使いたいなあ、なんて気に」させるほど株を上げた。

その後勝ち継投に回り、昨日はついに、10回表を抑えた山﨑康晃の後を受けて登板。9回以降は良い投手から起用していくのが後攻の定石である。

だが制球が不安定で、先頭打者に死球、内野ゴロで1塁走者が鈴木尚広に入れ替わる。ここで原監督がニヤリと笑った。2盗を許し、さらに暴投で3塁まで進まれ、内野ゴロで決勝のホームを踏まれてしまう。

これだけの度重なるピンチにもかかわらず、ベンチはすべて続投を選択した。そして小杉は鈴木尚広以外をすべてアウトにして11回表を完了した。

連続無敗登板の新記録が樹立されたが、負けにだって意味はある。小杉陽太のそれはきっと大事なものだ。

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